法人破産

4G2A2900会社を経営されており、事業の失敗などで資金繰りが厳しくなり法人破産と個人破産をあわせてされるという方も増えております。

法人の「破産」とは、様々な理由から、これ以上会社を継続的に経営していくことが難しいという倒産状態にある企業を法律に従って清算処理する手続きのことです。

破産手続は裁判所に申し立て、裁判所から破産管財人が選任され、会社の財産を債権者に公平に配当することになります。

法人破産のメリット・デメリット

メリット

・債務が免除され、返済や取立てにあわない

⇒弁護士に依頼をした時から、即日債権者に対して支払停止の通知を発送します。その後のやりとりや交渉は全て弁護士が対応しますので、直接依頼者に対する取立てはなくなります。

・負債が消滅するため、資金繰りに悩む必要がなくなります

⇒破産手続きが完了したら、会社は清算され、法人格そのものが消滅します。そのため負債がなくなりますので、資金繰りで悩む必要がなく、再スタートの準備に時間をかけることができます。

デメリット

・会社を再建することはできません

⇒当該会社自体が清算・消滅しますし、また中小企業の場合は、経営者が会社の債務保証をしているケースが多く、その場合は会社の破産手続きと同時に、経営者の個人破産をすることになります。経営者自身が破産をすると、金融機関からの借入が不可能になりますので新たな会社を設立することも難しくなります。

社会的信用の損失もありますので、会社を再建させたい場合、会社を再建する余地がある限りは民事再生という手法を選びたいところです。

・従業員の解雇

⇒破産の場合、会社そのものが消滅しますので、勤めている従業員を全員解雇する必要があります。伴い、会社がこれまで培ってきたノウハウも失います。経営者としては、従業員の今後を考えた解雇の手続きを取ることで、次の就職時に保険や年金等で困らせないように工夫する努力が必要です。

法人破産の流れ

① 弁護士から業者に受任通知書を発送
② 破産申し立て
③ 破産手続き開始の決定・破産管財人の選任
④ 破産債権の届出・調査・確定、破産財産の管理
⑤ 中間配当・最終配当
⑥ 破産手続き終結の決定

① 弁護士から業者(債権者)に受任通知書を発送

・弁護士が債権者に受任通知を送ることで、これまでの取立ては依頼者に来ることはなく、直接弁護士が交渉することになります。

② 破産申し立て

・債務者と債権者が破産の申立て手続をすることにより、破産手続は開始します。申立ては会社の所在地を管轄する地方裁判所となります。

(主たる営業所の所在地を管轄する地方裁判所が原則ですが、東京地方裁判所の場合は全国の法人破産申し立てをすることが可能です)

③ 破産手続き開始の決定・破産管財人の選任

・裁判所により破産手続きの開始が決定されると、株式会社は解散し、同時に破産管財人が選任されます。破産管財人も弁護士ですが、申立側弁護士とは違い、全ての債権者など利害関係者に対し中立公平の立場から破産事務を取り扱います。

④ 破産債権の届出・調査・確定、破産財産の管理

・債権者は、破産管財人により定められた期間のうちに、破産債権の届出をする必要があります。届出られた破産債権は、破産管財人の債権調査を経た後確定されます。

・破産債権の確定手続と平行し、破産管財人は、破産財団(破産会社の財産:管財人が管理する)の調査・管理を行い、債権者への配当原資となる破産財団をできるだけ増殖する努力をします。

破産管財人は、破産会社の有する債権の回収や、破産申立て前に行われた債権者への不公平な弁済などを否認し支払われた弁済金等を財団に取り戻すなどして、また場合によっては、不適切な経理処理を行っていた役員等に対し損害賠償請求などが行うなどして、会社の財産(財団)をできるだけ増やす努力をします。最終的には財産を可能な限り現金化し、配当の準備を進めます。

⑤ 中間配当・最終配当

・破産管財人の裁量により、換価が進んだ破産財団を随時債権者に配当していくことが可能です。(債権者として、配当が1年もないよりは、少しでも早く配当を受けたい場合も多いからです。)

・破産財団の換価がすべて終了した後、届出をした破産債権者に対して最終配当が行われます。最後配当は厳格な手続の下で行われますが、配当金額が少ない場合の簡易配当や、届出破産債権者全員の同意が得られた場合の同意配当のように、状況に応じた簡易迅速な配当方法を取ることも出来ます。

⑥ 破産手続き終結の決定

・最後配当が終了した後、債権者の異議申し立て期間が終了したときには破産手続終結が決定されます。この決定により、会社は消滅することになります

法律問題でお困りの方のお問い合わせはこちら 042-710-8901