団体交渉・労働組合対策(法人側)

4G2A2900「勤務態度の悪い従業員を解雇したところ、社外の合同労組から団体交渉を申し入れられた」

「顧客からのクレームが多く、同僚とのトラブルも絶えない社員を退職させようと退職勧奨していたら、合同労組から当該社員が加入した旨の通知が届いた」

「知らない間に社内に労働組合ができ、団体交渉を申し込まれた」

1.労働組合・合同労働組合からの申し入れ

突然、労働組合、それも全く面識のない社外の合同労組から団体交渉を申し込まれた場合、使用者は「誰に相談したらよいのかも分からない」という状態に陥ってしまうことも珍しくないようです。

団体交渉には社内の労働組合から申し込まれる場合と社外の合同労働組合(合同労組、ユニオン)から申し込まれる場合とがあります。労働組合は主に大企業で組織され、近年では大規模な労使紛争はあまり聞きません。その一方で、会社内に労働組合がない中小企業の社員が、解雇や賃金の不利益変更などに不満を持ち、合同労組に加入して団体交渉を要求してくるというケースが多くみられるようになりました。

合同労組とは、所属する職場や雇用形態(パート等非正規雇用も含みます)に関係なく、会社の枠を超えて産業別、業種別、職業別、地域別に組織する労働組合をいいます。

社員が合同労組に加入すると、突然、会社に対し「貴社社員である○○氏が当労働組合に加入しました」などと書かれた労働組合加入通知書や団体交渉申入書が送られてきます。これまで労組や団体交渉といったものに無縁だった中小企業の場合、突然そのような申入があると慌ててしまうことだと思います。しかし、絶対に放置や無視をしてはいけません。団体交渉に応じないとそれだけで、不当労働行為として労働組合法に違反することになるからです。

2.対応

申入書が送られてきたら、まず交渉相手となる合同労組がどのような団体なのか、その上部団体はどこか等を確認し、その団体(大きく3つの系統があります)の性格を把握する必要があります。

予め当該合同労組の性格を把握したうえで、次に団体交渉の準備をしなければなりません。

ここで留意しなければならない大事なポイントは、第1回目の交渉の進め方が、後の交渉の事実状のルールになってしまうことです。合同労組は、中小企業の使用者が労働法に疎く対応に不慣れなことはよく知っていますので、自分たちのペースで交渉を進めようとしてきます。

彼らは、労働法を熟知していますので、何も対策を立てずに交渉に臨んでしまうことで、相手に主導権を握られ、全面的に労働者側の主張を受け入れなくてはならない状況に陥りかねません。

特に、第1回目の団体交渉にあたっては、①出席者②開催場所③開催日時③交渉にあたってのルール作り、その他交渉をスムーズに進めるための注意点が多くあります。このような注意を要する団体交渉にそれまで全く経験のない使用者のみが出席対応することはリスクが大きいと言わざるを得ません。

弁護士に依頼をしていただくことで、労働組合との交渉、労働協約を締結する場合はその作成、労働者との条件調整などを代理で行うことができます。また合同労組側の要求が無理難題で理不尽な場合には、会社側から労働委員会に斡旋の申し入れをしますことができますが、それも弁護士が代理人となりとり進めていくことができます。

弁護士にご相談いただくことで、労働法を熟知した組合側の主張に対しても、的確な対策をたてることができます。まずはお気軽にご相談ください。


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