後遺障害診断書について

4G2A3315後遺障害の等級認定においては、「後遺障害診断書」が重要なポイントになることは、前にも述べた通りです。

しかし、医師の中には、治療の腕は確かであるものの、残念ながら、後遺障害認定における「後遺障害診断書」の重要性を理解していない方や、必要十分な診断書の書き方を知らない方もいます。そのため、「後遺障害診断書」に、重要な項目が記載されず、適切な認定が受けられない、ということがしばしば起こっています。

一旦、等級が認定されてしまうと、異議申し立ての制度はあるものの、その認定を覆して、より上位の等級認定を受けるのは極めて困難です。
従って、最初の等級認定の時点で、適切な「後遺障害診断書」と必要な証拠を提出すること重要となります。

「後遺障害診断書」には主に、①傷病名、②自覚症状、③他覚症状および検査結果が記載されていますが、例えば、②自覚症状については、例えば、手が痺れているのに、患者自身が「些細なことだから・・・」と医師に伝えていなければ、記載漏れになってしまい、後遺障害の等級認定の判断から外されてしまいます。また、被害者が自覚症状を医師に伝えたが、医師が事故との関連性が低いと判断して記載しない場合も見られます。しかし、後遺障害の等級に該当するかどうかの判断は、一時的にはその認定機関である損害保険料率機構がするものです。事故との関連性が少しでもある症状については記載してもらうよう医師に申し入れて下さい。なかには、あまり自覚症状について書きたがらない医師もいますので、そのような場合、積極的に自覚症状を記載したメモを渡すなどして、自覚症状について詳しく記載するよう要請してください。自覚症状については、医師に対し、積極的にアピールする姿勢が必要です。

また、③他覚症状および検査結果は、適切なタイミングで、レントゲンやCT、MRIを撮影しておかなければ、適正な後遺障害の等級認定を得るための他覚的所見を書いてもらうことができない場合があります。

場合によっては、医師に対し「後遺障害診断書」の重要性を十分に説明し、必要な検査や記載事項を指示する書面を渡して「後遺障害診断書」を作成してもらうことが必要になります。

その点、事故直後の早い段階で、専門家に相談しておけば、必要な検査や後遺障害診断書についてもアドバイスを受けることができます。


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