債権回収の方法

4G2A2919債権回収に関して、弁護士は、以下のとおり、様々な法的サポートを提供できます。

なお、弁護士以外に債権回収業務を行うことが認められているものに、法務大臣の許可を得た債権回収会社(サービサー)がありますが、そこで認められているのは特定金銭債権と定められたものに限られ、 売掛金や請負代金は回収することはできません。

また司法書士が行うことができる回収業務には金額の制限があります。 一方、弁護士には債権回収の制約はなく,最も有効な回収方法をご提案できます。

・弁護士が代理人となって債務者に対して催促をする

債権者ご自身での催促ではどうしても応じてこない場合には、弁護士が代理人となって催促を致します。弁護士が交渉にあたることで、相手側の対応が変わり交渉がスムーズに進む場合があります。

・弁護士名で内容証明郵便を送る

これも上記同様、弁護士名(債権者の代理人として)で内容証明郵便を送付することにより、相手側が支払いに応じる可能性を高めることができます。内容証明郵便には、通常「期限内に支払わなければ法的処置を講じる」ことを明記します。

・民事調停手続

裁判所の調停委員会のあっせんにより、話し合いによる解決を図るもので、調停で合意された内容は調停調書として書面化され、その調停調書は、判決と同様の法的効力が生じます。従って、相手方が調停調書のとおりに支払いを行わなければ、強制執行をすることができます。

弁護士を利用せずに調停を申し立てることも可能ですが、相手側が出頭しなかったり不当な引き伸ばしをしてきたりすると意味がなくなってしまいます。弁護士に依頼をすることで、相手方に圧力を掛けることができます。

・支払督促手続

簡易裁判所に「支払督促」手続を申立てることにより、簡易裁判所の書記官に相手方に金銭の支払いを命じてもらいます。書類審査のみで行われる手続で、利用者が訴訟などのように裁判所に出向いたり、証拠を提出したりする必要がありません。

支払督促は書類を郵送して行われるため、相手方の住所が判明している必要があり、相手方の住所が判明していない時には利用できません。

相手方が支払督促について裁判所に異議申立てをしないで申立人に支払いを行えば、紛争は解決されますので、支払督促手続はその段階で終了します。一方、相手方が支払督促に納得がいかない場合、支払督促を受領後、簡易裁判所に異議を申し立てることができ、異議申立てが受理されると支払督促は失効し、民事訴訟の手続に移行します。

相手方が支払督促受領後2週間以内に異議を申し立てない場合、申立人は仮執行宣言を申し立てることができます。これは、次の段階である強制執行を申し立てるために必要な手続です。仮執行宣言の申立ては、相手方が支払督促を受領した後2週間を経過した日から30日以内に申し立てなければ、支払督促が失効しますので注意しなければなりません。

・少額訴訟手続

60万円以下の金銭の支払を請求する訴訟を提起する際に求めることができる特別な訴訟手続で、原則として審理を1回のみで終わらせ判決を行う手続です。

一見便利そうな手続きですが、少額訴訟も、相手方が応じず、通常訴訟への移行を求めた場合には、通常の民事訴訟へ移行されてしまいます。特に相手方に弁護士が付いた場合には、結局、民事訴訟に移行することが確実ですので、利用できるケースは限られてきます。

・訴訟手続(通常訴訟手続)

民事訴訟を提起し、口頭弁論・証拠調べ・判決という手続きを経たうえで、相手が判決に従い支払わない場合には、強制執行により売掛金、請負代金等債権を回収する方法です。訴訟手続きにおいても和解ができます。和解が成立すれば、和解調書に従って支払いを受けることができます。和解調書は判決と同じ効力を持ちますので、相手が和解内容に従わない場合には、強制執行を行うことができます。

相手方の住所が判明しない場合には、公示送達により判決を貰うことが可能です。

・強制執行手続

確定判決、和解調書、調停調書などは「債務名義」と呼ばれ、相手方が任意の支払に応じない場合、裁判所に強制執行を求めることができます。

売掛金、請負代金といった債権を回収するためには、債権執行という強制執行手続きによります。

債務者の勤務する会社を第三債務者として債務者の給料を差し押えたり、債務者の預金のある銀行(銀行、郵便局、信用金庫)を第三債務者として銀行預金を差し押さえ、それを直接取り立てることにより、債権の回収をはかることになります。

債務者が給与所得者の場合は、給料の差し押さえは実効性があります。

銀行預金の差押えは、回収すべき金額の範囲内である限り、差押時の預金残高をそのまま回収することができますが、債務者が預金している銀行と支店名を特定する必要があります。

強制執行手続は債権回収における最後の手段として有効ですが、手続が複雑ですので、弁護士に依頼されることをお勧めします。

なるべく早くからご相談頂ければ、強制執行まで含めた債権回収のトータルサポートをご提供できます。


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